導入事例

(画像左):農事組合法人ECOマッシュ 瀬口氏(画像右):コンサルタント 石塚

FileMaker で会議時間 90% 削減!データ品質向上により生産革命の第一歩を

農事組合法人ECOマッシュ

農事組合法人ECOマッシュ

業種
農業
地域
九州地区/宮崎県
従業員数
54名
ご担当者様
専務取締役 瀬口聖也 氏
事業内容
しいたけの菌床栽培、生産、販売を主軸とし、おがくずの生産からしいたけの培養、収穫までを一貫して手掛ける独自の垂直統合型ビジネスモデルを構築。近年ではレストラン事業や森林組合との連携によるアプリ開発など、一次産業のDX推進にも取り組む。

※ 2025年08月27日 時点での情報です。

導入の背景

膨大な紙記録が阻んだデータ分析への道

創業1958年から4代続くしいたけ生産農家であるECOマッシュは、しいたけの菌床栽培における記録作業は長年、手書きの紙ベースで行われていた。木の種類、配合率、乾燥具合、水分、pH、冷却時間など多岐にわたる項目を毎日記録するものの、これらの情報は分析に活かされることなく、ただの記録として積み重ねられるばかりだった。専務取締役の瀬口聖也氏は当時をこう振り返る。

「紙に書いたところで、結果とリンクさせることが全くできず、今思えばただの無駄な作業でしたね。」(瀬口氏)

手書きの記録は字が汚くて読めない、記録に時差があるといった基本的な問題に加え、PDF化しても保存することなく、分析するため情報として十分に活用できない状態が続いていた。データ紛失のリスクも常につきまとい、精度の高い品質管理と生産性向上の大きな障壁となっていた。
こうした課題は、同じように日々奮闘する第一次産業の現場で、誰もが一度は感じたことのある葛藤ではないか。

導入の決め手

FileMakerの柔軟性と人の想いに寄り添うサポータスの「傾聴力」

システム導入検討の転機は、知人からのFileMaker紹介だった。広大な畑管理でFileMakerを活用し成功を収めている知人の事例を聞き、費用対効果と実用性、補助金活用の可能性を総合的に判断して導入を決定した。

当初は自社開発も試みたが、専門知識と時間の不足により断念。知人から紹介されたサポータスに相談を持ちかけることになった。サポータスを選んだ決め手自体は、都城に拠点があることによる地域密着性だったが、他にも想像以上にきめ細やかな対応も安心できたポイントだったという。

「ヒアリングからすごく丁寧にしていただきました。特に、単なるシステム開発にとどまらず、しいたけ生産のメカニズムまで深く理解しようとしてくださっていたので、コミュニケーション上のすれ違いが起きることもなく、一つ一つ丁寧に進めていけました。」(瀬口氏)

導入の決め手

導入後の効果①

データ連携による品質管理の革命

FileMaker導入後、ECOマッシュはしいたけ生産において画期的な変化を遂げた。これまで不可能だった3ヶ月間の培養工程データと収穫成果をリンクさせた分析が実現。毎日2,000〜3,000個の菌床を生産する中で、このデータ連携は極めて重要な意味を持った。最も顕著な効果は雑菌症の原因究明だ。

「雑菌症の発生率やその原因を調べる際、いつ作ったものか、その時の状況はどうだったか、遡って分析することは不可能でした。それが今では、製造グループや特定の作業者にまで絞り込んで履歴を追えるようになりました」(瀬口氏)

データに基づいた具体的な対策が可能となり、作業方法の改善や品質管理の精度が飛躍的に向上。椎茸の品質安定に大きく貢献している。

導入後の効果①

導入後の効果②

会議時間90%削減で生まれた戦略的時間

業務効率化への影響も大きかった。特に原因不明の問題に対する会議時間の削減は目覚ましいものがある。
瀬口氏は当時の会議時間の劇的な変化をこう語る。

以前は雑菌症の原因究明に2時間も3時間も会議を重ね、結局原因が分からないまま対処していました。今では、その分析にかかる時間が15分程度になりました」(瀬口氏)

この大幅な時間削減により、本来やりたかった事業拡大のための取り組みに着手できるようになった。また、従業員も無駄な作業から解放され、生産性が向上。原因究明と対策の共有により、従業員全体のスキルアップにも繋がっている。

「母体がしいたけ生産なので、そこで時間のリソースが取られてしまうと生産性が下がるので、効率よくできるようになったのは、やってよかった取り組みでした。また、私どもの競業他社にはない優位性だと言えます。」(瀬口氏)

導入後の効果②

今後期待すること

一次産業のDXを牽引する存在へ

ECOマッシュのFileMakerを活用したDX推進は、まだ始まったばかりだ。現在は情報収集と基本的な分析が可能になった段階だが、今後はより高度な分析手法の確立に注力する計画を立てている。

「今はまだデータを『記録しただけ』のフェーズです。今後はこれを『活用』していくことに注力したい。システム上で様々な指示が出たり、共有ができたりと、しいたけ生産のメカニズムがより強固に構築されるでしょう。」(瀬口氏)

瀬口氏の個人的目標は一次産業の革命だ。今後50年、100年先の農業や林業のあり方を見据え、技術と実践を融合させた誰でも使える新しいソリューションの提供を目指している。

その中で、瀬口氏は特に法人化して持続可能な運営を目指す農家や、情報を分かりやすく分析したい工場などに、FileMakerとサポータスの組み合わせを推奨してくれた。
「新しいシステムをなかなか理解できない人は実際います。だからこそ、まずは使う人のために、FileMakerの柔軟性とサポータスの技術と経験値が必要です。また、誰でも使えるシステムにするためのUI/UXの知見があるサポータスさんからのアドバイスには大変助かりました。」(瀬口氏)

ECOマッシュのように、紙媒体の活用に葛藤している企業にとって、大変参考になる事例だろう。
同様の課題を抱えている場合は、サポータスへ相談してほしい。

Customer Introduction

農事組合法人ECOマッシュ

https://www.ecomush.info/company.html
農事組合法人ECOマッシュ
農事組合法人ECOマッシュは、創業1958年の椎茸生産農家として4代にわたり歴史を重ねている。しいたけの菌床栽培、生産、販売を主軸とし、おがくずの生産からしいたけの培養、収穫までを一貫して手掛ける独自の垂直統合型ビジネスモデルを構築。近年ではレストラン事業や森林組合との連携によるアプリ開発など、一次産業のDX推進にも積極的に取り組んでいる。紙の文化が根強く残る一次産業において、デジタル化による生産性向上と競争優位性の創出を実証する先進事例として注目を集めている。

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